母の声

私の両親は 二人とも健在です。
躾や教育には非常に厳しかったけれど、ことピアノに関しては いつも冷静でした。
コンクール前なども ギャーギャー言われたこともなし、結果が悪くても失望されたこともなし。
なので 私が演奏会をすると「暗譜で弾くん?えらいよねぇ」と割と初歩的なことで誉めてくれます(^^;

私がこの歳になっても 勉強をやめず 本番をこなしていきたいと思うのは、小さな親孝行のつもり。
私のやりたいように ひたすら経済的援助をしてくれて、それに対する見返りも全く求めず、「おかげで元気に働けた」と言うくらいですから もう全く頭が上がりません。


今日 チケットのことなどで母に電話しました。週に1回は実家でレッスンしているから会ってはいるんですが。
本番前って なんだか過敏になっているのか それともやはり帰ってくるべきところが母なのか、声を聞くと とめどもなく安心しました。
そしていつものごとく「がんばってね。ちゃんと弾いてね」ではなく、「体 大丈夫?気を付けなさいよ」と労られました。

電話をきると、なぜだかポロポロ涙が出ました。

偉そうにドレスを着て舞台に上がろうが、「先生、先生」と生徒たちに言われようが、親の無償の愛情の前にはちっぽけなことですね。

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