真摯

この言葉、よくは使うものの 意味を考えると、はて難しいなと思います。


真面目に、というのとも少し違う。
一生懸命、もニュアンスが微妙にずれる。
誠心誠意、どんなときでも一生懸命にそのことに対して取り組む、といったところでしょうか。
結果に一生懸命ではなく 途中経過においてたゆまぬ心と精神をもつ、というか。


昨日 文楽鑑賞に行きました。
実は朝からレッスン、合わせ、本番2つ、と分刻みでしたので爆睡してしまうかも、と心配しましたが なんのなんの。
細かな表現と 大胆な語り口、そして三味線のタイミングに 新しい勉強をさせてもらった気分です。


そして、なんだか冒頭の「真摯」という単語が浮かびました。
何百回何千回と演じても、そこに歴史と伝統がある限り 自分がその中に入り込み うちいでて そうやって伝統芸能は質の高いものとして受け継がれて行かれる。
 でも、クラシック音楽は伝統あるものなのに なぜだか新しいものに飛び付かれてしまう。
新しい解釈=やってはいけないこと、ではないですが 一旦 郷に入って郷から出てきてほしいなあと願います。


数日前 うまいけれど真摯ではない演奏にいきあたってしまい、少々ショック。
ずっと聴いてきたピアニストだっただけに 俗物化していることが 驚きでした。
でも、うまいんです、本当に。


不思議ですね、それでも心に響かない。
うち震えるような感動が一瞬もありませんでした。
すごーい、と思って聴くところはありましたが。


ある意味、演奏は正直ですので怖い。
私自身 襟をただす思いです。

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ピアニスト 古賀千恵公式サイト

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